■主体性という名の冒険へ
なんだか最近、うまくいかないな、と感じることはありませんか? 仕事でミスをしてしまったり、目標が達成できなかったり、人間関係でちょっとしたすれ違いがあったり。そんな時、「だって〇〇さんが~」とか「あの時の状況が~」なんて、つい周りのせいにしてしまいたくなる気持ち、すごくよく分かります。人間って、どうしても自分を守ろうとする生き物ですからね。でも、もしあなたが今よりもっと、ワッと心躍るような毎日を送りたい、なりたい自分に近づきたい、そう願っているなら、今日はちょっとだけ、いつもと違う視点でお話しさせてください。それは、周りのせいにしたり、誰かに頼りっきりになったりするのをやめて、自分の足でしっかりと立って、自分の人生という名の冒険を、自分で切り拓いていく、そんな力についてのお話です。
■「あの時、もし私が…」という後悔に隠された宝物
例えば、仕事で大きなミスをしてしまったとしましょう。本来なら、上司や同僚に「あの時は指示が不明確で…」「資料が足りなくて…」なんて、ついつい弁解したくなるかもしれません。でも、もしそこで一歩立ち止まって、「あの時、もう少し確認を怠らなかったらどうだっただろう?」とか、「もし事前にリスクを想定して準備していたら、このミスは防げたかもしれない」と考えてみたらどうでしょう。こういった「もしも」を考えることは、決して自分を責めるためのものではありません。むしろ、それはあなたの内に秘められた、素晴らしい才能の芽に気づくための、最初のステップなんです。
過去の出来事を振り返った時に、「あの時、こうしていれば」という後悔の念は、誰にでもあるものですよね。でも、その「後悔」は、実は未来をより良くするための、強力な羅針盤になり得るんです。だって、もしその時に別の行動をとっていたらどうなったか、という想像は、まさに「もしあの時、違った選択をしていたら、今の自分は違う場所にいただろう」という、可能性の探求だからです。
たとえば、あなたが以前、あるプロジェクトでリーダーを務めたとします。結果として、目標達成はできたものの、チームメンバーの間で少しばかり軋轢が生じてしまった。そんな時、「チームの意見をうまくまとめられなかったな」「もっと早い段階で、懸念点を共有すべきだった」と、あなたは自分自身のマネジメントの至らなさを感じたとしましょう。これは、決して「私が悪かった」と自分を卑下するためではなく、「次回のプロジェクトでは、もっとメンバー一人ひとりの意見を丁寧に聞き、共通認識を醸成する時間をしっかり取ろう」という、具体的な改善策を生み出すための、極めて建設的な思考です。
実際、ある調査によると、困難な状況に直面した際に、原因を自分自身に求める傾向のある人たち(自責思考)は、そうでない人たちに比べて、問題解決能力や学習意欲が高いという結果が出ています。これは、彼らが失敗から目を背けるのではなく、むしろそこから何かを学び取ろうとする姿勢を持っているからだと言えるでしょう。例えば、製造業の現場で、ある製品に不具合が見つかったとします。原因調査の過程で、「設計段階での見落としではないか」「製造ラインでのオペレーションミスではないか」といった、様々な可能性が検討されるわけですが、最終的に「我々がもっと注意を払っていれば、この不具合は発生しなかったはずだ」という結論に至ることは、決してネガティブなことではありません。むしろ、その「注意を払っていれば」という反省が、次の製造プロセスでの品質管理基準をさらに厳格化したり、チェック体制を強化したりといった、具体的な改善行動に繋がっていくのです。
■「自分ごと」で捉えることの力強さ
「自己責任」という言葉を聞くと、なんだか冷たい響きに聞こえるかもしれません。「あなたの責任なんだから、自分で何とかしなさい」と言われているようで、ちょっと寂しく感じる人もいるかもしれませんね。確かに、旅行先で地震に遭って水がなくて困っている人に「それは自己責任だ」と言うのは、さすがにひどすぎます。それは、本来の意味での「自己責任」とは少し違います。
本来の「自己責任」とは、自分の行動の結果に対して、自分で責任を持つということです。例えば、あなたが新しいビジネスを始めようと決めたとします。そのために、一生懸命に計画を練り、資金を調達し、事業を開始しました。しかし、残念ながら、予期せぬ市場の変化や競合の出現によって、事業がうまくいかなかったとしましょう。この場合、「あの時の融資担当者がもっと親身になってくれれば…」「国がもっと補助金を出してくれれば…」と、外部の要因に責任を転嫁するのではなく、「自分の市場分析が甘かったかもしれない」「競合の動きを読み切れなかった」というように、自分の行動や判断に焦点を当てて、「次はどうすればいいか」を考えることが、本来の「自己責任」の考え方なんです。
なぜ、「自分ごと」として捉えることがそんなに大切なのでしょうか。それは、私たちが何かを「自分ごと」として捉えた時、初めて本気で向き合い、解決策を見つけようとするからです。例えば、あなたがお店でアルバイトをしているとします。ある日、レジでお釣りを間違えてしまいました。もしあなたが、「あー、またやっちゃった。店長に怒られるな」と、他人事のように考えていたら、次の日もまた同じミスを繰り返してしまうかもしれません。でも、もしあなたが、「うわ、自分が間違えちゃった。お客様に迷惑をかけてしまった。次からは、お釣りを渡す前に、もう一度指で数え直そう」と、「自分ごと」として真剣に受け止めたら、そのミスから学び、意識して行動を改めることができます。
この「自分ごと」として捉える力は、心理学の世界では「内的統制感」と呼ばれています。これは、物事の結果が自分の力でコントロールできると信じる度合いのことです。内的統制感が強い人は、たとえ困難な状況に直面しても、「自分ならきっとできる」と前向きに考え、積極的に行動を起こす傾向があります。例えば、ある大学の調査では、スポーツ選手で内的統制感が強い選手ほど、試合でのパフォーマンスが高く、怪我からの復帰も早いという結果が出ています。彼らは、たとえ試合に負けたとしても、それを「運が悪かった」で片付けるのではなく、「もっと練習量を増やせばよかった」「あの場面で、もっと冷静な判断ができたはずだ」と、自身の行動に焦点を当て、次の成長に繋げていくのです。
■「甘え」という名の成長のブレーキ
私たちは、知らず知らずのうちに、「誰かが助けてくれるはず」「この状況なら、許されるだろう」といった「甘え」を抱えていることがあります。それは、決して悪いことばかりではありません。時には、優しさや共感の表れでもあります。しかし、もしその「甘え」が、あなたの行動のブレーキになってしまっているとしたら、それはとてももったいないことです。
例えば、あなたは新しいプロジェクトのアイデアを思いつきました。でも、それを実現するためには、多くの時間と労力が必要だと分かっています。そんな時、「誰か、このアイデアを実現してくれる人が現れないかな」「もっと楽にできる方法はないかな」と考えてしまう。これは、まさに「甘え」のサインかもしれません。
でも、もしあなたが「よし、このアイデアを形にするのは、この私だ!」と腹を括り、たとえ大変でも、一つ一つの課題に粘り強く取り組むとしたら、どうなるでしょうか。きっと、今までの自分では想像もできなかったような、新しい景色が見えてくるはずです。
「甘え」とは、具体的にどのような状況で現れるのでしょうか。例えば、期日ギリギリまで課題に取り組まず、最後に「すみません、どうしても間に合いませんでした…」と、理由を説明してしまう。これも、ある種の「甘え」と言えるかもしれません。「どうしても」という言葉の裏には、「本来ならできるはずなのに、やらなかった」という、自分自身の選択が隠れています。
また、仕事でミスをした時に、すぐに「〇〇さんが指示してくれれば…」と、他人のせいにしようとする姿勢も、「甘え」の一種です。これは、自分の責任範囲を曖昧にし、困難な状況から逃れようとする心理が働いていると考えられます。
このような「甘え」は、一時的には楽かもしれません。しかし、長期的には、あなたの成長を妨げる大きな要因となります。なぜなら、私たちは「甘え」を許容してしまうことで、本来発揮できるはずの能力や、問題を解決する力を、無意識のうちに封じ込めてしまうからです。
■「自分への信頼」という名の最強の武器
では、どうすれば、そんな「甘え」を断ち切り、主体的に行動できるようになるのでしょうか。それは、まず「自分への信頼」を築くことから始まります。
「自分への信頼」とは、決して「自分は絶対的に正しい」と思い込むことではありません。むしろ、「たとえ失敗したとしても、そこから学び、乗り越えていける力がある」と信じることです。
例えば、あなたは新しいスキルを習得しようと決意しました。最初はなかなかうまくいかず、挫折しそうになるかもしれません。でも、もしあなたが「今の自分はできないかもしれないけれど、練習を続ければ、きっとできるようになる」と、自分を信じて努力を続けたなら、必ずそのスキルを習得できるはずです。
この「自分への信頼」は、一つ一つの成功体験によって、少しずつ積み上がっていきます。大きな成功でなくても構いません。例えば、朝、いつもより30分早く起きて、読書をするといった小さな目標を達成するだけでも、それは「自分への信頼」を育む貴重な一歩になります。
科学的な研究でも、自己効力感(自分ならできるという確信)が高い人は、困難な課題に挑戦する意欲が高く、目標達成率も高いことが示されています。例えば、ある心理学の研究では、自己効力感の高い学生は、難しい試験でも諦めずに最後まで粘り強く取り組む傾向があり、結果として成績が向上するという結果が出ています。これは、彼らが「自分ならできる」という信念を持っているため、困難な状況に直面しても、ネガティブな感情に囚われにくく、前向きに行動できるからだと考えられます。
■小さな一歩が、未来を大きく変える
もしあなたが、今、何かに悩んでいるのなら、まずはほんの小さなことから始めてみませんか。
例えば、今日、やるべきことリストを書き出してみる。そして、その中から一つだけ、今日中に必ず終わらせる、という目標を立ててみる。それがどんなに小さなことでも構いません。「メールの返信する」「机の上を片付ける」でも良いのです。
そして、その小さな目標を達成したら、自分自身に「よくやったね!」と、心の中で声をかけてあげてください。その積み重ねが、あなたの「自分への信頼」を育て、やがて大きな行動へと繋がっていくのです。
例えば、先ほどの自己PRの例文を見てみましょう。
「売上が落ちていた早朝シフトに自ら志願し、レジ締めや在庫確認を一手に引き受けた結果、クレーム件数をゼロにし、店長から『安心して任せられる』と言っていただけました」[2]
この方は、売上が落ち込んでいる、という困難な状況に「自ら志願」するという、主体的な行動を起こしています。そして、ただ志願するだけでなく、「レジ締めや在庫確認を一手に引き受ける」という、具体的な行動をとることで、問題解決に貢献しています。その結果、「クレーム件数をゼロにする」という成果を出し、周囲からの信頼を得ています。これは、まさに「自分ごと」として状況を捉え、責任感を持って行動した結果と言えるでしょう。
もう一つの例文も見てみましょう。
「住宅展示場での売り上げが伸び悩んでいたなかで、自ら展示場におけるイベントやキャンペーンを企画・立案しました。キャンペーンをきっかけにお客さまとの信頼関係を構築し、昨年のエリア内での受注件数3位を獲得しました」[3]
こちらの方も、「売り上げが伸び悩んでいた」という課題に対して、「自らイベントやキャンペーンを企画・立案」するという、積極的な行動を起こしています。これは、現状をただ受け入れるのではなく、自らの力で状況を打開しようとする強い意志の表れです。その結果、お客様との信頼関係を構築し、具体的な成果に繋げています。
これらの例は、特別な才能や環境があったからできたことではありません。困難な状況に「自分ごと」として向き合い、自らの意思で行動を起こし、その結果に責任を持ったからこそ、得られた成果です。
■未来への船出を、あなた自身の力で
人は誰でも、無限の可能性を秘めています。しかし、その可能性を開花させるかどうかは、他ならぬあなた自身の、主体的な選択にかかっています。
周りのせいにしたり、誰かの助けを待ったりするのではなく、まずは「自分ならできる」「自分なら何とかする」という強い意志を持って、一歩を踏み出してみてください。
その一歩は、たとえ小さくても、あなたの未来を大きく変える力を持っています。そして、その変化の先に、あなたが望む、輝かしい未来が待っているはずです。
さあ、あなたの人生という名の航海へ、あなた自身の力で、力強く船出しましょう!

