■「こうなるはずだったのに…」それは、本当に「まさか」だったのか?
「いやー、まさかこんなことになるとは思ってもみなかった!」
誰だって、そんな風に叫びたくなるような出来事に遭遇することがありますよね。期待していた結果とは全く違う現実に直面して、「なんで私だけこんな目に…」「あの時のあの判断がまずかったのかな…」と、頭の中でぐるぐると考えを巡らせてしまう。もしかしたら、周りのせいにしてしまいたくなることもあるかもしれません。「あの人がこう言ったから」「あの状況がああだったから」と、自分以外の何かに責任を転嫁したくなる気持ち、すごくよく分かります。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみませんか? その「まさか」は、本当に100%「まさか」だったのでしょうか。もしかしたら、それは、あなたが無意識のうちに、あるいは意識的に選択した結果、現実になってしまったことなのではないでしょうか。
例えば、宝くじで高額当選したら「人生バラ色!」と夢見るけれど、その一方で「宝くじは確率が低すぎるから、当たらないのが当たり前」という事実も、心のどこかでは理解しているはずです。それでも、いざ当たったら「奇跡だ!」と喜び、もし外れても「やっぱりね…」と、ある程度は納得できる。でも、これがもっと身近な「選択」となると、途端に「まさか」という言葉が出てきやすくなるんです。
■「あの時の選択」と、そこに潜むリスクの種
私たちは、日々、数えきれないほどの選択をしています。朝、何時に起きるか。朝食に何を食べようか。通勤・通学のルートはどうするか。仕事でどんなプロジェクトに取り組むか。誰と付き合うか。どんな投資をするか。これらの選択一つ一つに、必ず「結果」がついてきます。そして、その結果の裏には、必ず「リスク」が潜んでいます。
リスクと聞くと、なんだか怖いイメージがあるかもしれません。でも、リスクは悪いものばかりではありません。むしろ、リスクがあるからこそ、私たちはより良い結果を期待できるとも言えます。例えば、投資。リスクなしでリターンを得られるものなんて、ほとんどありません。高いリターンを狙うなら、それ相応のリスクを取る覚悟が必要になります。
ここで、ある調査データを見てみましょう。例えば、ある金融機関が行った調査によると、投資経験者のうち、過去1年間に損失を出したと回答した人の割合は、調査対象によって多少ばらつきはありますが、約3割から5割にのぼると言われています(※具体的な数値は調査年や対象によって変動します。ここでは一般的な傾向として記述)。この数字を見て、「やっぱり投資は怖い」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、この「損失を出した」という結果の背景には、何があったのでしょうか。それは、投資家自身が、その金融商品に投資するという「選択」をしたからです。そして、その選択をしたということは、同時に、その投資がうまくいかない可能性、つまり「リスク」を受け入れた、と解釈することもできます。
「でも、将来のことは誰にも分からないじゃないか!」
そうですよね。未来は不確かなものです。だからこそ、私たちは「最善の選択」をしようと努力します。しかし、どんなに努力しても、予測を上回る出来事が起こる可能性はゼロではありません。
■「自分」という名の、唯一無二の会社経営者
ここで、少し視点を変えてみましょう。あなたは、自分自身という、とてもユニークで、そしてかけがえのない「会社」の経営者です。この会社をどう経営していくか、その全てはあなたの手に委ねられています。
朝、アラームを止めて二度寝するという選択をすれば、会社の生産性は低下するかもしれません。健康に良くない食事を選ぶという選択をすれば、会社の健康状態が悪化するかもしれません。新しいスキルを学ぶことを怠るという選択をすれば、会社の競争力が低下するかもしれません。
逆に、早起きして運動をする。栄養バランスの取れた食事を摂る。新しい知識やスキルを積極的に学ぶ。これらの「前向きな選択」を積み重ねていけば、会社(あなた自身)の業績は向上し、より豊かな未来へと繋がっていく可能性が高まります。
重要なのは、これらの選択の結果、たとえうまくいかなかったとしても、その責任は「あなた自身」、つまり「会社」にあるということです。誰か他の経営者に「あの指示が悪かった」「あの時のアドバイスが間違っていた」と文句を言っても、会社の業績が突然回復するわけではありませんよね。
■「甘え」という名の、経営のブレーキ
「でも、周りのサポートが足りなかった」「あの時、もっと良い条件で始めていれば…」
こうした声が聞こえてきそうです。確かに、外部環境や他者の影響は、私たちの選択や結果に少なからず影響を与えます。しかし、それらはあくまで「外部要因」です。経営者であるあなたが、その外部要因に対してどのように反応し、どのような次の手を打つか、その「主体的な判断」こそが、会社の将来を左右します。
例えば、あるスタートアップ企業が、当初の計画通りに事業が伸びなかったとしましょう。もし、経営者が「市場が悪かった」「競合が強すぎた」と外部要因ばかりを嘆いて、何もしなければ、会社は衰退していく一方です。しかし、もし経営者が、「市場のニーズを再分析しよう」「競合との差別化戦略を練り直そう」「新しい技術を取り入れよう」と、主体的に行動を起こせば、状況を打開できる可能性が生まれます。
これは、あなた自身の人生にも全く同じことが言えます。「もっと他にやり方があったはずなのに」「あの時、こうしていれば…」と過去の選択を悔やむだけでは、何も変わりません。それよりも、「じゃあ、今できることは何だろう?」「次に同じような状況になったら、どうすればいいだろう?」と、未来を見据えた行動を起こすことの方が、ずっと建設的です。
この「主体的な行動」を阻害する最大の要因の一つが、「甘え」です。甘えとは、自分の責任を曖昧にし、問題解決を他者や環境に委ねてしまう心理状態です。「誰かが何とかしてくれるだろう」「この状況だから仕方ない」といった考え方は、まさに甘えの典型です。
■「自己責任」という名の、自由へのパスポート
「自己責任」という言葉を聞くと、なんだか冷たい響きに聞こえるかもしれません。まるで、「失敗したら、一人で全部背負いなさい!」と言われているような気がするかもしれません。
しかし、自己責任というのは、もっとポジティブな意味合いを持っているのです。それは、「自分の人生を自分でコントロールできる」という、自由へのパスポートなのです。
自分の選択の結果に責任を持つということは、裏を返せば、自分の選択によって、望む結果を手に入れることができる、ということです。もし、あなたが「こんな人生を送りたい」「こんな目標を達成したい」という強い思いを持っているなら、その実現のために、どのような選択をすべきか、そしてその選択に伴うリスクをどう管理すべきかを、自分で決めることができるのです。
例えば、ある人が「健康的な体を手に入れたい」と思ったとします。そのために、毎日運動する、バランスの取れた食事を摂る、十分な睡眠をとる、といった「健康的な生活」を選択します。この選択の結果、健康的な体を手に入れることができれば、それはその人の「自己責任」で得られた成果です。もちろん、途中で誘惑に負けてしまうこともあるかもしれません。でも、その誘惑に打ち勝つための努力をするのも、また「自己責任」の範囲内です。
もし、この人が「運動する時間がない」「健康的な食事は高すぎる」と、外部要因を理由にして行動を怠れば、健康的な体を手に入れることは難しくなるでしょう。そして、その結果に対して、「誰かがもっと運動しやすい環境を作ってくれればよかったのに」「もっと安くて健康的な食品があればよかったのに」と他責にするのは、経営者として(つまり、自分自身という会社にとって)あまり賢明な判断とは言えません。
■「結果」という名の、現実へのメッセージ
私たちは、日々の選択の結果として、様々な「現実」に直面します。それは、望む現実であることもあれば、望まない現実であることもあります。
例えば、ある人が、一生懸命勉強して試験に合格したとしましょう。その合格という結果は、その人が「勉強する」という選択をし、それに伴う努力(リスク)を継続した結果です。この合格によって、希望する大学に入学できたり、望む職業に就けたりするかもしれません。これは、まさに「自己責任」で掴み取った成功と言えるでしょう。
一方で、ある人が、リスクの高い投資に手を出し、大きな損失を出してしまったとします。この損失という結果は、その人が「リスクの高い投資をする」という選択をし、それに伴うリスク(損失の可能性)を受け入れた結果です。この時、「あの情報提供者が間違っていた」「市場の変動が激しすぎた」と外部要因に責任を転嫁しても、失ったお金が戻ってくるわけではありません。
ここで重要なのは、その「結果」に対して、どのように向き合うか、ということです。「結果」は、私たちに、過去の選択がどのような結果をもたらしたのか、という「現実」を突きつけてくれます。そして、その現実から学び、次にどう活かすか、という「未来への行動」を促してくれるメッセージでもあるのです。
■「過去」という名の、学びの宝庫
私たちは、過去の選択とその結果から、多くのことを学ぶことができます。成功体験は、自信となり、さらなる挑戦への意欲を与えてくれます。一方、失敗体験は、痛みを伴いますが、それ以上に貴重な教訓を与えてくれます。
例えば、ある投資家が、過去に無謀な投資で大きな損失を出したとします。その経験から、「リスク管理の重要性」「情報収集の徹底」「感情に流されない冷静な判断」などを学ぶことができます。そして、その学びを活かして、次の投資ではより慎重な判断を下すようになるでしょう。これが、「失敗は成功のもと」と言われる所以です。
もし、この投資家が、損失を出した原因を全て外部要因のせいにして、何も学ばなかったらどうなるでしょうか。おそらく、同じような過ちを繰り返してしまう可能性が高いでしょう。なぜなら、自分の選択と結果の因果関係を理解せず、問題の根本原因を外部に求めてしまうからです。
■「前向きな行動」という名の、未来への羅針盤
ここまで、自分の行動の責任は自分にあること、そしてその結果にどう向き合うかについて考えてきました。ここからは、それらを基にして、どのように「前向きで主体的な行動」を実践していくか、その具体的なヒントを探っていきましょう。
まず、大切なのは、「現状」を客観的に把握することです。うまくいっていることも、うまくいっていないことも、感情を排して「事実」として受け止めます。そして、その「事実」に至った背景にある、自分の「選択」や「行動」を分析します。
例えば、仕事で目標を達成できなかったとします。その原因は、能力不足なのか、準備不足なのか、コミュニケーション不足なのか、あるいは、そもそも目標設定が高すぎたのか。一つ一つ、冷静に分析していくのです。
次に、その分析結果を踏まえて、「では、今、何をすべきか」を考えます。ここでも、感情論は排除します。「悔しい」「悲しい」といった感情に囚われるのではなく、「どうすれば改善できるか」「どうすれば目標に近づけるか」という「解決策」に焦点を当てます。
そして、その解決策を実行に移すための「具体的な行動計画」を立てます。計画は、できるだけ具体的に、そして測定可能なものにします。例えば、「毎日30分、関連書籍を読む」「週に一度、上司に進捗報告をする」「新しいスキルを習得するために、オンライン講座に申し込む」などです。
もちろん、計画通りに進まないこともあります。それでも、そこで諦めるのではなく、「なぜ計画通りに進まなかったのか」を分析し、計画を修正して、再び行動を続けます。この「試行錯誤」のプロセスこそが、主体的な行動の証なのです。
■「自己責任」と「挑戦」は、コインの裏表
新しいことに挑戦する時、私たちは必ずリスクに直面します。失敗する可能性、期待通りの結果が得られない可能性。しかし、そのリスクを恐れて挑戦しなければ、何も変わりません。
「失敗したらどうしよう…」「もしうまくいかなかったら…」
こうした不安は、誰にでもつきものです。しかし、その不安を乗り越えて一歩踏み出す勇気こそが、人生を豊かにする原動力となります。
例えば、起業を考える人。市場調査、事業計画の作成、資金調達など、多くの困難が待ち受けています。失敗するリスクも当然あります。しかし、もしその人が「自分のアイデアで世の中に貢献したい」「自分の力で何かを成し遂げたい」という強い思いを持ち、そのために必要な努力を惜しまなければ、成功の可能性はぐっと高まります。
そして、もし仮に、事業がうまくいかなかったとしても、その経験は決して無駄ではありません。そこで得た知識、培ったスキル、築き上げた人脈は、次の挑戦への貴重な財産となります。それが、「自己責任」で挑戦することの、もう一つの意味なのです。
■「前向きな選択」が、未来を創る
私たちの人生は、過去の選択の積み重ねです。そして、未来は、これから私たちがする選択によって創られていきます。
「あの時、こうしていれば…」と過去を悔やむのではなく、「これから、どうしたいか」に焦点を当て、主体的に、そして前向きな選択を積み重ねていきましょう。
その選択には、必ず「結果」が伴います。そして、その結果に対する責任も、あなた自身が負うことになります。しかし、それは決して重荷ではありません。むしろ、自分の人生を自分でデザインし、望む未来を創り出すための、力強い推進力となるはずです。
「他責思考」や「甘え」を手放し、「自己責任」という名の自由を手に、あなた自身の力で、輝かしい未来を切り拓いていきましょう。その一歩が、あなたの人生を大きく変える、何よりの「まさか」の連続になるはずです。

