猫漫画家イベントが申込ゼロで中止!衝撃の裏側とSNS集客の残酷な現実

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こんにちは、今日はちょっとSNSやクリエイティブな活動の裏側にある「残酷で、でもすごく人間らしい現実」について、心理学や経済学、そして統計学のレンズをバキバキに合わせながら、じっくり深掘りしていきたいと思います。

最近、ネットのタイムラインでこんなニュースを見かけませんでしたか。イラストレーターで漫画家の山麦まくらさんが、ご自身の著書『今日もとなりにネコがいる』の発売を記念して、大阪の梅田ラテラルでトークイベントとサイン会をやろうとしたんです。でも、いざフタを開けてみたら、なんとチケットの申し込みが一件も入っていなかった。結果として、イベントは泣く泣く中止になってしまったという一件です。

このニュース、当事者の方にとっては本当に胃が痛くなるような、文字通り冷や汗が出る出来事だったと思います。でも、この「チケット申し込みゼロ」という衝撃的な事実を、単なる「人気がなかったね」で片付けてしまうのは、あまりにももったいないし、科学的に見ても事実を大きく見誤ることになります。実は、人間の脳の仕組み、現代の経済システム、そしてSNSという巨大なアルゴリズムの海の仕組みが複雑に絡み合った結果として、この現象は必然的に起こるべくして起きたとも言えるんです。今日は、なぜこんなことが起きるのか、そして私たちがそこから何を学べるのかを、専門的な知見を交えながら、できるだけわかりやすく紐解いていきますね。

■認知の歪みとバイアス、私たちは見たいものしか見えていない

まず心理学の視点から、この「誰も申し込んでいなかった」という現象を解剖してみましょう。人間の脳というのは、実はすごく怠け者で、エネルギーを節約するように出来ています。心理学ではこれを「認知バイアス」と呼ぶんですが、私たちは自分が信じたい世界や、居心地の良い情報を優先的に受け取る傾向があるんです。

山麦まくらさんが関西でのイベントを告知したとき、きっと心のどこかでは「関東から離れているけれど、関西の読者さんにも会えるかもしれない」「もしかしたら来てくれる人がいるかも」という期待と不安が入り混じっていたはずです。人間は「自分が発信した情報」に対して、フォロワーという数字が目に見えると、どうしても「この情報は全員の目に届いているはずだ」という錯覚に陥ってしまいます。これを心理学では「スポットライト効果」や「自己中心性バイアス」と呼んだりします。自分にスポットライトが当たっているような気がして、周りの人たちも自分の発信を同じ熱量で見ていると思い込んじゃうんですね。

さらに、SNSのタイムラインは、心理学における「エコーチェンバー現象」の温床です。普段から好意的なコメントをくれる人や、熱心に作品を読んでくれる人の姿が目に入ると、脳は無意識に「私の作品や活動は、これだけの支持基盤があるんだ」と過大評価してしまいます。しかし、実際のフォロワー数と、イベントのチケットを買うという「コスト(お金と時間)」を支払う行動の間には、心理学的に見て巨大な断絶が存在するのです。

■行動経済学で読み解く「イベント参加」という高いハードル

次に、経済学、それも人間の非合理的な選択を研究する「行動経済学」の出番です。経済学の古典的なモデルでは、人間は常に損得を合理的に計算して動く「ホモ・エコノ。ミクス(経済人)」として描かれていました。しかし、現代の行動経済学は、人間がいかに非合理的で、目の前の損失や手間に大きく左右されるかを明らかにしています。

今回のイベントは、平日の木曜日、夜の19時という設定でした。行動経済学の概念に当てはめてみると、この条件がいかに参加者にとって「高いハードル」だったかがわかります。まず、チケット代という金銭的コストがあります。そしてそれ以上に大きいのが「機会費用」と「心理的ハードル」です。

平日の19時に大阪・梅田の会場に足を運ぶということは、関西圏のビジネスパーソンや子育て世代にとって、仕事の残業を切り上げる調整をしたり、家庭の育児や家事の分担をやりくりしたりという、莫大な「時間的・精神的コスト」を支払うことを意味します。行動経済学には「現在バイアス」という強力な性質があって、人間は「未来の楽しいイベント(得られる便益)」よりも、「今すぐ直面する面倒くささや疲労(現在のコスト)」を圧倒的に重く見積もる習性があるんです。

「知っていれば絶対に行ったのに」というファンの声は、まさにこの心理を象徴しています。つまり、ファンに「行きたい」と思わせるだけの魅力は十分に存在していた。でも、その「行きたい」という感情が、平日の夜という高いハードルを飛び越えるほどのエネルギーに変換される前に、情報が埋もれてしまったか、あるいは「また今度でいいや」という現状維持バイアスに負けてしまったわけです。

■統計学とアルゴリズムの壁、フォロワー数は幻なのか

そして、統計学と現代のメディア環境の分析に移りましょう。ここで一番残酷なファクトを突きつけなければなりません。それは「SNSのフォロワー数=見込み客の数ではない」という厳然たる統計的事実です。

例えば、X(旧Twitter)などのプラットフォームでは、フォロワーが何万人いたとしても、一つの投稿が実際にそのフォロワーのタイムラインに表示される割合(インプレッション率)は、アルゴリズムの変更によってどんどん低下しています。特に、外部サイトへのリンクや、イベントの告知といった「商業的・宣伝的」と判定されやすい要素が含まれている投稿は、プラットフォームのアルゴリズムによって意図的に表示優先度を下げられる傾向があります。

統計学的に見れば、1回の告知という「試行回数」が少なすぎたことが致命傷でした。確率論の観点から言えば、どれだけ熱量が高いファンがいたとしても、その人たちの目に情報が触れる確率が例えば10%であり、さらにそこから「平日の夜に行ける」という条件が重なり、さらに「チケットを申し込む」という確率が掛け合わされていくと、全体の確率としての期待値は限りなくゼロに近づいていきます。

マーケティングの統計データによれば、ユーザーが新しい情報や購買行動に踏み切るためには、平均して「7回以上」同じ情報に接触する必要があると言われています。これを「法則」として知る人たちからすれば、初回の1回だけの告知でイベントを成立させるというのは、統計学の確率論的に見ても、宝くじの一等を引き当てるようなものだったと言わざるを得ません。告知の回数が少なかったこと、日時や場所の設定が特定のセグメントにしか刺さらなかったこと、そしてSNSのアルゴリズムという目に見えない壁。これらがすべて統計的な不運ではなく、構造的な必然として重なってしまったのです。

■失敗をオープンにすることの経済的・社会的価値

さて、ここまで聞くと「なんだかネットでの集客って絶望的だな」「クリエイターにとって世知辛い世の中だな」って気分になってしまうかもしれませんよね。でも、物語はここで終わりません。ここからが心理学的に非常に興味深い、人間の温かみとリカバリーのフェーズに入ります。

山麦まくらさんは、この「申し込みゼロ」という、プライドがズタズタになりそうな事実を隠さず、むしろ赤裸々にインターネット上で公表しました。そして自身の力不足を真摯に受け止め、前向きに頑張っていく姿勢を見せました。

心理学には「プラットフォール効果」という面白い現象があります。これは、能力が高くて完璧に見える人よりも、ちょっとドジをしたり、失敗をオープンにしたりする人の方が、周囲から好意を持たれやすく、親近感を持たれるという心理効果です。完璧すぎる人間はどこか近寄りがたいですが、挫折や失敗をありのままにシェアし、そこから立ち上がろうとする姿は、強力な「共感の磁場」を生み出します。

実際、この中止の発表の後、SNS上では多くのファンや読者から温かい励ましのメッセージが殺到しました。もちろん、中には心ない言葉もあったためにコメント欄を閉鎖するという防衛策を取らざるを得なかったのは非常に残念ですが、それ以上に「応援したい」というファンのロイヤルティ(忠誠心)を一気に高める結果につながったのは間違いありません。

経済学の視点で見ても、この「失敗の開示と誠実な姿勢」は、クリエイターにとって無形の「信頼残高(ソーシャル・キャピタル)」を爆発的に増やす資産となります。お金を払ってイベントに来てもらうことは今回は叶いませんでしたが、多くの人が「山麦まくら」という作家の人間性に触れ、次の著書や次の活動を応援したいという心理的な投資意欲を刺激されたはずです。失敗を隠蔽せず、データとして受け止め、分析し、次に活かす姿勢そのものが、強力なコンテンツへと昇華された瞬間でした。

■私たちがこの出来事から学ぶべき教訓と未来への処方箋

最後に、この一連の出来事を私たち自身の日常や仕事にどう活かせるか、科学的な知見をベースにまとめておきましょう。

何か新しい企画を立ち上げるとき、あるいは自分の商品やサービスを世の中に広めようとするとき、私たちはどうしても「自分の熱量」を基準にして物事を考えてしまいがちです。「これだけ良いものを作ったんだから、みんな気づいてくれるはずだ」という思い込みは、認知バイアスの罠です。

そうではなく、まずは「情報は絶対に届かないものだ」「人間は怠け者で、面倒くさがり屋で、日々の生活に忙殺されている生き物だ」という、少し冷徹で現実的な前提からスタートすることをおすすめします。統計学的に考えて、発信は1回では足りません。何度も、切り口を変えて、相手の利便性を最優先に考えた日時や場所を設定し、心理的なハードルをいかに下げるかをデザインする必要があります。

そして万が一、計画がうまくいかなかったり、数字がゼロだったりしたとしても、それを自分の全人格の否定として捉える必要は全くありません。それは単に、確率の計算ミスであり、アルゴリズムの特性であり、タイミングのミスマッチに過ぎないのです。その事実を客観的にデータとして分析し、行動経済学や心理学の仕組みを理解した上で、次の一手を打てばいい。

失敗を恐れて何もしないことこそが、最大のコストであり機会損失です。山麦まくらさんの今回の挑戦は、結果としてイベント中止という痛みを伴うものでしたが、そこから得られた学びや、ファンとの間に生まれた新たな絆は、これからのクリエイティブな活動において何物にも代えがたい強力なエンジンになるはずです。

世の中は私たちが思っている以上に複雑で、システムやアルゴリズムに満ち溢れています。でも、その仕組みを少しだけ科学的な視点で理解しておけば、無駄に傷つくことを避けられるし、次にどう動けばいいのかという道筋が見えてきます。ぜひ今回の話を、ご自身の活動や日々の生活のちょっとしたヒントにしてみてくださいね。それではまた、次の興味深いテーマでお会いしましょう。

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