最近、SNSで話題になっていたある投稿を見て、思わず背筋が凍る思いをしたんだよね。それが何かと言うと、横浜市民病院の救急医師を名乗る人物から突然電話がかかってきて、「息子さんが強い咳をした時に血を吐いて救急でいらして、口頭乳頭腫が見つかった」と告げられたっていう体験談なんだ。これ、聞いただけで親なら誰だって心臓が止まりそうになるよね。いきなり我が血を分けた子供が救急搬送されて血を吐いたなんて言われたら、冷静さを保つ方が難しい。でも、投稿主のヒロタサトミさんは土壇場で「入院しているのは誰ですか?」って聞き返して、相手が何も答えずに電話を切ったから事なきを得たんだけど、これ一歩間違えていたらと思うと本当に恐ろしい話だよ。
この一件を聞いて、心理学や行動経済学の視点から見ると、詐欺グループが人間の脳のどんな弱点を突いているのかがめちゃくちゃ綺麗に見えてくるんだよね。実は人間って、論理的に考える「システム2」っていう脳の回路と、直感や感情でパパッと判断する「システム1」っていう脳の回路の二つを頭の中に持っていることが、行動経済学者のダニエル・カーネマンの研究なんかでもよく知られているんだ。恐怖やパニック、あるいは子供の安全への危機感みたいな強い感情が引き金になると、人間の脳は一瞬でシステム1に支配されちゃうのね。システム1はものすごく高速で動く代わりに、情報の真偽をじっくり吟味する能力が低い。つまり詐欺師たちは、わざと「子供が血を吐いた」「今すぐ大変なことになっている」っていう強烈な脅し文句を使うことで、私たちのシステム1を強制的に暴走させ、じっくり考える余裕を奪い去っているわけ。
さらに統計学的なファクトを見てみると、高齢者や親世代をターゲットにした特殊詐欺の被害総額は年々深刻な問題になっているよね。警察庁のデータなんかを見ても、オレオレ詐欺をはじめとする巧妙な手口は減るどころか、手口を変え品を変え進化し続けている。今回話題になった医療機関を装う手口なんて、まさにその最先端を行くものだよね。これまでの警察官や銀行員を装う手口に比べて、医療現場の特殊な閉鎖性や専門用語の難しさを逆手に取っているのが特徴なんだ。
医療現場のリアルを知っている人たちからは、現役の医師がいきなり電話で細かい病名を告げるなんてことは絶対にあり得ないっていう指摘が相次いだんだよね。実際の救急医療の現場では、患者が運ばれてきても、まずは命を救う処置が最優先されるし、家族への連絡も看護師から「一度病院にいらしてください」と伝えるのが一般的で、詳細な病名や治療方針は必ず対面での説明、いわゆるインフォームド・コンセント(IC)で行われることになっている。この構造的な仕組みを知っていれば、「電話でいきなり専門的な病名を告げられた時点でアウト」っていう決定的な判断材料になるんだけど、病院っていう権威や緊急というプレッシャーの前では、その常識すら頭からスポッと抜け落ちてしまうのが人間の心理の怖いところなんだよね。
ここで経済学の「情報の非対称性」っていう概念を持ち出してみると、この詐欺の仕組みがさらにクリアに理解できるんだ。情報の非対称性っていうのは、取引をする当事者の一方が他方よりも多くの、または質の高い情報を持っている状態のことを言うのね。医療の世界はまさにこれの典型で、一般の私たちは医療に関する専門知識を持っていないから、お医者さんが「口頭乳頭腫です」なんて言われると、「そんな専門的な病気、素人の自分には分からないけれど、お医者さんが言うんだから本当違いくだろう」っていう心理的な降伏状態に陥りやすい。詐欺師たちはこの情報の非対称性を意図的に利用して、専門用語という名の武器で私たちの思考をフリーズさせているんだ。
この投稿の議論はさらに、私たちが日頃使っている「固定電話」の存在意義や防犯対策のあり方にまで発展していったんだよね。あるユーザーは、地元の警察署から防犯上の理由で固定電話の撤去を強く勧められ、実際に固定電話をなくしたっていう体験談を語っていた。これに対して、今の時代に固定電話を維持しているのは主に高齢者世帯であることや、住んでいる地域によって警察の防犯に対する力の入れ具合や働きかけの徹底ぶりに大きな格差があるという現実が浮き彫りになってきたのね。
統計データを見ても、固定電話の有無は詐欺被害に遭う確率と強い相関関係があることが分かっているんだ。固定電話にかかってくる見知らぬ番号からの電話は、その大部分が詐欺や悪質な勧誘であるケースが多いという研究結果もある。だからこそ、多くの警察署が「留守番電話に常時設定する」ことや「思い切って固定電話を撤去する」ことを推奨しているわけなんだけど、ここには現代の社会的ジレンマが隠されているんだよね。
経済学や社会学の文脈で言うと、これはいわゆる「利便性と安全性のトレードオフ」という問題に直結している。固定電話があることで、昔からの大切な友人や地域のつながりを維持できるという利便性がある一方で、いつかかかってくるか分からない詐欺電話という莫大なリスクを常に抱え込むことになる。特に高齢者世帯においては、デジタル機器への適応コストが高いことも相まって、固定電話という昔ながらのインフラがそのまま犯罪者の格好の侵入経路になってしまっているという皮肉な構造があるんだよね。
じゃあ、私たちはこの狡猾な犯罪の手口に対して、科学的かつ合理的にどう立ち向かえばいいのだろうか。心理学や行動経済学の研究では、危機的な状況下で人間が正しい判断を下すための強力なテクニックとして、「あらかじめのルール化(コミットメント)」が挙げられている。つまり、いざパニックになりそうな状況に陥ったときにどう行動するかを、頭が正常に働いている平時のうちにしっかりと決めておくことなんだ。
例えば、今回のケースで言えば、「医療機関や公的機関から緊急の電話がかかってきたら、その場で話を完結させずに、必ず一度電話を切って、こちらから公式の代表番号にかけ直す」という鉄のルールを自分の中に作っておくこと。詐欺師たちは「今すぐここで決断しろ」「切るな」と時間的なプレッシャーをかけてくるけれど、そこで「一度切ってこちらからかけ直します」と言ってスパッと電話を切る行動こそが、相手のペースを完全に崩す一番の特効薬になるんだ。ヒロタさんが「入院しているのは誰ですか?」と聞き返したのも、結果的に相手のペースを乱し、詐欺であることを暴く見事な防衛行動だったと言えるよね。
さらに統計的なリスクヘッジの観点から言えば、迷惑電話防止機能を備えた固定電話の導入や、通話録音機能の活用、あるいは思い切って固定電話を廃止してスマートフォンに一本化するという選択も非常に合理的だと言える。テクノロジーの力を借りることで、人間の認知の歪みやパニックによる判断ミスを物理的にカバーすることができるからね。
人の心を踏みにじり、家族の絆や愛情を逆手にとって恐怖心を植え付けるような詐欺の手口は、絶対に許されるものではない。けれど、相手がどれだけ巧妙な手口を使ってきても、私たちの脳の仕組みや、詐欺師たちが依存している心理的な罠の構造をあらかじめ知っていれば、恐怖に飲み込まれることなく冷静に対処することができるはずなんだ。科学的な知見やデータは、私たちにとって最も頼りになる最強の盾になってくれる。
今日この文章を読んでくれたあなたも、ぜひ身の回りの防犯体制や、万が一のときに家族とどう連絡を取るかというルールについて、平穏な今のうちに一度見直してみてほしいんだ。高齢の親御さんがいるなら、今回の医療機関を装う詐欺の手口をシェアしてあげるだけでも、大きな抑止力になるはずだよ。人間の心理の癖を知り、適切な備えをしておくこと。それこそが、巧妙化する現代の脅威から自分自身と大切な家族を守るための、最も確実で賢い方法なんだからね。

