公式に情報がない味の素の幻の冷凍餃子を絶対に入手する裏技

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■ネットの隅っこで起きた「幻の冷凍餃子」大捜索の裏側を科学してみる

みなさんこんにちは。SNSを眺めていて、ふと「なんだこれ、全然情報がないぞ」っていう謎の商品に出会ったことってありませんか。タイムラインの向こう側で、みんながざわざわしながら「どこにも売ってない」「公式ホームページにも載ってない」なんて盛り上がっている光景、一度は目にしたことがあるんじゃないかと思います。今回は、まさにそんなネットの好奇心が爆発した事件、味の素の冷凍餃子「お肉ぎっしりギョーザ」をめぐる大騒動を、心理学や経済学、そして統計学といったちょっとアカデミックなレンズを通して、徹底的に分解してみたいと思います。一見すると、ただのSNSのバズに見えるこの現象、実は私たちの脳みそや社会の仕組みを暴く、めちゃくちゃ面白いヒントが隠されているんです。

■そもそも何が起きたのかというおさらい

まずは今回の発端をざっくり振り返っておきましょう。事の始まりは、インフルエンサーのリロ氏が、ハイボールのおつまみとして味の素の「お肉ぎっしりギョーザ」を紹介したことでした。タンパク質がガッツリ取れて味もいい、しかも案件じゃないよ、という何気ない投稿です。ところが、これを見たフォロワーが「めちゃくちゃ気になるから買いたい!」と思って検索してみたところ、味の素の公式サイトにはそんな商品の情報が一切載っていなかったんです。プレスリリースすらない。メーカーの人間ですら「なにそれしらん…こわ…」ってなっているんじゃないかとネット民が勝手に想像しちゃうくらい、完璧に姿を隠した「異世界ギョーザ」状態になっていたわけです。

ここからがネットの恐ろしいところであり、面白いところです。公式に情報がないと分かると、人々の探究心が一気に火を噴きました。メーカーに直接問い合わせる猛者が現れ、これが「日本アクセス」という大手流通会社が絡んだ、特定のお店でしか買えないプライベートブランド的な商品らしいということが判明します。さらに、関東や九州などの特定のスーパーの名前が次々とリストアップされ、「あそこにあった」「ここで見た」という目撃情報がクラウドソーシング的に集まってきました。最初は「幻の餃子」として謎に包まれていたものが、群衆の知恵によって、流通の仕組みまで丸裸にされてしまったというわけです。

■なぜ私たちは「謎」を見ると興奮してしまうのかという心理学

この一連の流れを見ていて、心理学の分野ですぐに思い浮かぶのが「情報ギャップ理論」というやつです。カーネギーメロン大学の経済学者であり行動経済学者でもあるジョージ・ローウェンスタインが提唱した理論なんですが、人間は自分が知っていることと、知りたいことの間にギャップを感じると、それを埋めたくてたまらなくなるという心理的メカニズムを持っています。このギャップは、脳にとってはちょっとした「不快感」や「飢餓感」として処理されるんです。だから、私たちはそのギャップを解消するために、検索したり、リサーチしたり、他の人と情報を共有したりせずにはいられなくなります。

今回の味の素の餃子の場合、「味の素の有名商品なのに、公式サイトに載っていない」という強烈な情報ギャップが最初にドンと置かれました。これが人々の脳内で「知りたい欲求」のトリガーを引いたんです。もし最初から「この商品は〇〇スーパーの限定流通品です」とペタッと公式ページに書いてあったら、誰もここまで熱狂しなかったはずです。「謎がある」「隠されている」「誰も知らないかもしれない」という状況そのものが、人間の好奇心を刺激する最強のスパイスになっていたわけです。

さらに、心理学でいう「希少性の原理」もここでガッツリ働いています。ロバート・チャルディーニという社会心理学者が『影響力の武器』という名著の中で説いているように、人は「手に入りにくいもの」「数が少ないもの」に対して、そのもの自体の価値以上に高い価値を感じてしまう生き物です。通販でも買えない、限られたスーパーにしか置いていない、公式すら存在を隠しているかのようなシークレット感。これが、「今すぐ見つけ出して手に入れたい!」というコレクターズ・ハイのような状態を人々に引き起こしたのだと考えられます。

■経済学から見る「流通のミステリー」と情報の非対称性

次に、経済学的な視点からもこの現象を眺めてみましょう。経済学の世界では、「情報の非対称性」という言葉がよく使われます。売り手は商品のことを隅々まで知っているけれど、買い手は十分に情報を持っていない、というアンバランスな状態のことです。普通、企業は自社製品を売りたいわけですから、この情報の非対称性をできるだけ解消しようと広告を打ったり、公式サイトに詳しい情報を載せたりしますよね。

ところが、今回の事例はちょっと面白い逆転現象が起きています。メーカーである味の素と、流通を担う日本アクセス、そして小売りのスーパーというサプライチェーンの側には商品が存在しているのに、消費者向けのパブリックな情報網にはそれが流れていなかった。結果として、消費者のほうが「あれはどういうルートで流れているんだ」と必死に情報を収集し、サプライチェーンの構造(誰が卸していて、どの系列の店に置いてあるのか)を逆算して突き止めてしまったわけです。

これって、経済学的に言うと「消費者が自発的にサプライチェーンのブラックボックスをハックした」ような状態です。なぜこんなことが起きるかというと、現代の小売業界がめちゃくちゃ複雑化しているからなんですね。全国一斉にテレビCMを打つようなナショナルブランドがある一方で、特定の卸売業者とスーパーがタッグを組んで、ひそやかに展開する「留め型商品」やPB商品が大量に流通しています。これらの商品は、マス向けの広告コストをかけない代わりに、地域密着型のスーパーの棚を抑える戦略をとっているため、ウェブ上の全国区の情報網には引っかかりにくいという構造上の特徴があるんです。ネットユーザーたちは、この現代の流通システムの裏側を、個人の調査力とSNSの拡散力を使って、まるでゲームの謎解きのように暴いてしまったというわけです。

■統計学と群衆の知恵がもたらした「集合知」の奇跡

そしてもう一つ見逃せないのが、統計学やデータ分析の観点から見た「群衆の知恵(Wisdom of the Crowds)」のメカニズムです。ジェームズ・スロウィッキーというジャーナリストが書いた同名の本で有名になった概念ですが、多様な背景を持つ大勢の人がそれぞれ持っている断片的な情報を集めると、驚くほど正確な答えが導き出されるという現象のことです。

今回の餃子騒動は、まさにこの「群衆の知恵」がリアルタイムで機能した美しい事例だと言えます。一人のユーザーにとっては、「近所のサミットでたまたま見かけた」という、単なるローカルなノイズに過ぎない情報しかなかったはずです。統計学的に言えば、それはただの外れ値や、取るに足らない小さなサンプルデータです。しかし、SNSというプラットフォームを介して、日本各地の「見かけた」「買った」「問い合わせてみた」という無数の断片的なデータが一点に集約されました。

その結果何が起きたかというと、個々人の持つ不完全な情報がフィルタリングされ、補完し合って、「この商品は日本アクセスが関与する特定のスーパーチェーンでのみ展開されている」という、企業側の公式リリース顔負けの高精度な全体像が浮かび上がってきたのです。統計学の世界には「大数の法則」という、試行回数を増やすと本来の確率に近づいていくという法則がありますが、まさにネットの集合知は、情報の海から真実を浮き彫りにする「大数の法則のSNS版」のような働きをしたと言えるでしょう。一人の天才が謎を解いたのではなく、無数の凡人(といっては失礼ですが)の小さな気づきがネットワークで結びつくことで、巨大な謎をハッキングしてしまったのです。

■なぜ私たちはこのニュースにワクワクしてしまうのか

ここまで、心理学、経済学、統計学という少し小難しい学問の言葉を使って、この冷凍餃子をめぐる騒動を分析してきました。でも、難しく考える必要はなくて、結局のところ私たちは「みんなで一緒に宝探しをしているような感覚」がたまらなく好きなんだと思うんです。

効率化が極限まで進んだ現代社会では、欲しいものはスマホ一つで秒速で買えるし、知りたいことは検索すれば一瞬で答えが出てきます。便利で快適なのは間違いないけれど、その一方で、私たちは「自分で発見する喜び」や「誰も知らない未知の領域を冒険するワクワク感」をどこかで見失いかけているのかもしれません。予定調和に満ちた日常の中で、突如として目の前に現れた「公式が把握していない謎の餃子」は、大人たちが本気になって遊べる、最高にスリリングなテーマパークのチケットみたいなものだったのではないでしょうか。

インフルエンサーの何気ない一言から始まり、ネットの隅っこで「なんだこれ」と首をかしげた人たちがいて、それぞれの場所で目撃情報を持ち寄り、流通の仕組みという巨大なパズルをみんなで組み上げていく。そのプロセスそのものがエンターテインメントであり、現代のデジタル社会における新しい形の「お祭りのカタチ」だったんだと思います。

■明日から使えるかもしれない(?)ちょっとしたスパイス

さて、ここまで読んでくれたあなた。今夜の帰り道、あるいは今週末の買い出しのときに、ちょっと近所のスーパーの冷凍食品コーナーを覗いてみたくなったのではないでしょうか。サミットやエスポット、マックスバリュ、あるいはあなたの生活圏内にあるちょっとマイナーなスーパーの冷凍庫の扉をあけて、「もしかしたら、あいつが眠っているかもしれない…」なんて想像してみるだけでも、普段の退屈な買い物がちょっとした宝探しに変わるはずです。

もちろん、すべての店舗に置いてあるわけではないですし、地域や時期によって状況は違うかもしれません。でも、そういう「確実ではないけれど、もしかしたら」という不確実性こそが、日常に小さなワクワクを運んでくれる調味料なんじゃないかと思います。科学的な分析なんていうものは、結局のところ、私たちが日々の生活の中で感じる「おもしろい!」という直感を、後から「こういう理由だったんだね」と優しく解説してくれるための道具にすぎません。

ネットの向こう側で誰かが仕掛けたわけでもなく、ただ偶然と好奇心が絡み合って生まれたこの「幻の冷凍餃子」の物語。次にあなたがスーパーの冷凍食品の棚の前に立ったとき、ふとこの騒動を思い出してクスッと笑えたなら、それだけでこの記事を書いた価値があったというものです。さあ、今夜のおつまみを探しに、ちょっといつもとは違うスーパーの棚をパトロールしに行ってみませんか。そこには、あなただけの「異世界ギョーザ」との運命の出会いが待っているかもしれませんよ。

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